yourVintage
  1. Home
  2. 山本が、会いに行く。
2026.09.02

株式会社LIG 代表取締役社長CEO 大山智弘さん|なぜ、これほど「任され続ける」のか

Web制作会社として名を知られ、いまやDX支援からオウンドメディア、HR事業までを手がける株式会社LIG。その代表取締役社長CEOを務めるのが、大山智弘さんだ。新卒でユナイテッドアローズ、その後リクルートを経て、ベトナム法人エボラブルアジアの代表として事業を立ち上げ、リンクバルの取締役として上場を経験し、そしてLIGへ——事業が生まれ、育ち、成熟へ向かうまで、考えうるほぼすべてのフェーズを、あらゆる立場で任されてきた稀有な経営者である。連載「山本が、会いに行く。」第4回は、山本が信頼を寄せる先輩経営者・大山さんを訪ねた。テーマは、”なぜ、これほど任され続けるのか”。そして、10年を注いだLIGに懸ける想いだ。

① 出会いと関係性

「決裁者マッチング」で出会った、先輩経営者

山本と大山さんの出会いは、山本が以前経営していた会社を手がけていた頃までさかのぼる。きっかけは、決裁者どうしをつなぐマッチングサービスだった。まだ大山さんがLIGの代表になる前のことだ。

面識が生まれてから、二人はいくつもの共通点で意気投合していく。大山さんが新卒で入社したのはユナイテッドアローズ。アパレルからキャリアを始めた人だった。山本もまた、学生時代はずっと古着屋で働いていた。”服”というルーツを共有していたことが、まず距離を縮めた。

さらに、大山さんはその後リクルートへ。山本にとってもリクルートは縁の深い場所であり、同じ土壌を知る”先輩経営者”として、二人の会話はいっそう深まっていった。ビジネスの売り込みではなく、経営者同士の率直な対話——今回の取材も、その延長線上にある。

② 経歴と、今の仕事

リクルートを経て、ベトナムでの抜擢へ。転機は”未知への挑戦”だった

大山さんの経歴は、一本の直線では語れない。新卒で入社したのはユナイテッドアローズ。その後、リクルートへと移る。ここまでは、いわば助走の時期だ。

大きな転機になったのは、ベトナム法人・エボラブルアジアの代表への抜擢だった。海外で、事業をゼロから立ち上げる。畑の違う、未知の挑戦である。それまでのキャリアからすれば飛躍とも言える一歩だったが、大山さんはこの機会をつかみ、事業を立ち上げる側の経験を、身をもって積んでいく。ここから、大山さんの”任され続ける経営者”としての物語が本格的に動き出す。

その後はリンクバルへ執行役員として入社し、やがて取締役に。会社の成長を牽引し、上場という節目を経験して退任する。ゼロから立ち上げる局面と、成長を一段引き上げる局面。まったく毛色の異なるフェーズを、大山さんは連続して任されてきた。

そして現在、大山さんは株式会社LIGの代表取締役社長CEOを務めている。LIGにjoinしてから、およそ10年。業務委託として関わりはじめ、取締役、副社長、そして社長へと立場を変えながら、この会社に深く根を張ってきた。

株式会社LIG(LIG inc.)について

2007年設立。Web制作を出発点に、いまは大きく3つの事業を展開する。DX支援事業(システム・アプリ開発、Webサイト/グラフィック制作)、マーケティング支援事業(オウンドメディア「LIGブログ」の運営、記事広告・広告運用)、そしてHR事業(「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」などの教育・人材事業)だ。

月間で多くの読者を集める「LIGブログ」で知られ、業界内での認知度は高い。ISMS認証(ISO/IEC 27001)も取得している。本社は東京・台東区。

▶ LIG:https://liginc.co.jp/

③ すべてのフェーズを経験してきた背景

立ち上げから成熟まで。そして、あらゆる”立場”と”職種”

改めて大山さんの歩みを並べてみると、その特異さがはっきりと浮かび上がる。ベトナムでの事業の立ち上げ、リンクバルでの成長と上場、そしてLIGでの成熟——事業が生まれてから拡大し、成熟へ向かうまで、ほぼすべての段階を、大山さんは実際に自分の手で通り抜けてきた。

この日の対話でも、そこはひとつの核心になった。「全部、異なるフェーズをやっているっていうのは、面白いなと思って」。山本がそう水を向けると、大山さんも頷く。異なるフェーズを任される、ということ自体が、実は稀有な経験値なのだ。

そして大山さんの強みは、フェーズの幅だけではない。“立場”の幅も尋常ではない。創業社長、雇われ社長、上場企業の取締役、執行役員、部長——経営から現場まで、ありとあらゆるポジションを経験してきた。さらに“職種”の幅も広い。営業、マーケティング、バックオフィス。不動産や飲食といった異なる業種にも触れてきた。「いろんな立場で、あとは職種もやってるんですよ」と大山さんは語る。

この「フェーズ × 立場 × 職種」の掛け算こそが、大山さんの正体だと山本は見る。「まずそのケースをいくつもやっている。雇われ社長もやっている、上場会社の経営も経験している、執行役員も部長もやっている。しかも、いろんな職種を横断している。この掛け算は、多分ダントツだと思う」。ひとつの会社、ひとつの役割に閉じてきた経営者とは、見えている景色の”角度”がまるで違う。

なぜ、その掛け算が効くのか。大山さんはこう言葉にする。「たとえば成熟に向かっていくフェーズって、もう”経営者に寄り添う”っていう気持ちがないと、やっていない気がするんですよね」。実力があるプレイヤーが、投資まで入った会社に入って、社長とぶつかってしまう——そんな場面は珍しくない。だが大山さんは、その理由も体感として理解している。「仕事ができることが重要なんじゃなくて、”いかにその会社の社長とうまくやれるか”が重要なんですよ」。右腕を務めた経験があるからこそ、社長の気持ちも、現場の気持ちも、多角的に見える。「人間の想像力って、すごく浅はかだと思っていて。子どもができないと、子どもができた人の気持ちは本当にはわからない。仕事も同じなんです」。やってみないと、できるようにはならない——その実感が、大山さんの言葉には一貫して流れている。

④ なぜ、これだけの役割やフェーズを任されてきたのか

「自分が経営者なら、大山がいたら助かる」——先に経営者目線を持つ人

ではなぜ、大山さんはこれほど多くの役割とフェーズを任されてきたのか。本人の答えは、驚くほどシンプルだった。

「”自分が経営者だったら、大山がいたら助かる”って、絶対に思うだろうなって思うんです。」

── 大山 智弘(株式会社LIG 代表取締役社長CEO)

これは、経営者になってから身につけた感覚ではない。プレイヤーとして最前線にいた頃から、圧倒的な当事者意識と責任者感で、常に経営目線から物事を考えてきた。だからこそ言える言葉だ。「先ほどの”人間の想像力”の話のとおり、経営者じゃないと経営者の気持ちってわからない、と思うじゃないですか。でも僕は、平社員でも、取締役でも部長でも、本当に”経営者のつもり”でやろうとしてきたんです。責任感が、誰よりもある。それが伝わるんだと思う」。

一見、単純な心構えの話に聞こえる。だが、ここにはかなりの奥行きがある。経営をしたこともない、役職者でもない人間が、最初からその視座を持つことは、ほぼ不可能だからだ。

「立場が人を作る」とは、言い得て妙な言葉である。山本は、リクルートの人事制度を例に、その本質をこう読み解く。「リクルートのミッショングレードって、”このレベルまで行っているから上げる”んじゃなくて、”このレベルの席に座らせたいから上げる”んですよ。だから、立場が人を作る」。つまり本来の育成とは、実力が席に追いつくのを待つのではなく、先に席を用意し、そこに座らせることで、できるようにさせていくものだ。

ここに、決定的な非対称がある。「立場が人を作る」を裏返せば、まず立場を与えない限り、その役割はできるようにならないということだ。そしてそれは、任命する側が”先にリスクを取る”ことを意味する。できるかどうか分からない人間に、先に席を渡す——それは会社や経営者の側に相応のスキルと覚悟が求められる行為であり、誰にでもできることではない。裏を返せば、そのポジションは誰にでも巡ってくるわけではない、ということでもある。

そんな構造の中で、大山さんは「先に経営者目線を持っている」人材だった。任命する側からすれば、これ以上ないほど”任せやすい”。「リスクを取って任せてみて、できなかったらどうしよう、という怖さがある。でも大山さんは、”できると思われてから”上げられてきているんですよ」と山本は言う。大山さん自身も、少し照れながらこう認める。「自分で言うのもなんですけど、本当に”任せやすいやつ”だと思う。経営者が困っていることが、多少は解像度高く理解できるんでしょうね」。

ベースにあるのは、責任感だ。そこにチャレンジ精神が掛かり、何より——その経験を一度も途切れさせず、いろんな立場で一生懸命にやり続けてきた。いろんな角度を知り、いろんな思いをして、今に至る。これこそが、大山さんがありとあらゆるポジションを任され続けてきた背景である。

⑤ そんな大山さんが、LIGで成し遂げたいこと

「今、やっとスタート」——10年を注いだ会社で

これだけの経験を重ねてきた大山さんが、いま口にするのは、意外なほど静かな一言だった。「今、やっとスタートなんです。LIGの人間として、今やっとスタート、っていう感じで」。人生としては、ちょうど折り返し。ここからが本番だと言わんばかりの言葉だった。

大山さんがLIGにjoinして、約10年。自分がゼロから作った会社ではない。それでも——いや、だからこそ、人一倍の愛情がそこにある。10年前に先人が作ってくれた会社の価値の上に、自分にしかできない積み上げを重ねてきた。たとえば、営業組織。「これは自分では簡単に作れない部分だと思ったからこそ、時間をかけてやってきた」。ゼロから作るのではなく、すでにあるものに投資し、育て、多くの顧客を支えられる形にしていく。10年という歳月を注いできた人だからこそ持てる、腰の据わった眼差しがそこにある。

その姿勢は、かつての反省とも地続きだ。過去には、感情的になって諦めてしまった経験もあると大山さんは率直に振り返る。「あのとき、じっくりやり続けていれば、もっと伸ばせたと思う」。だからこそ今は、コツコツと、じっくりやり続けることの強さを誰よりも知っている。「じっくりやる、っていうのが、結構、自分の強みかもしれない」。

「今、やっとスタート」。10年を注いだLIGで、大山さんが見据える先。
▲ 「今、やっとスタート」。10年を注いだLIGで、大山さんが見据える先。

LIGでなければ成し遂げられない想いやビジョンが、大山さんにはある。それは、LIG側で始まった大山さん自身の連載で、まさに語られていくところだ。ここでは深追いをしない。その想いの続きは、ぜひそちらで受け取ってほしい。

ここまでの経験を通り抜けてきた大山さんが、LIGに懸ける想いとは何なのか。「今、やっとスタート」と言い切るこの人を、山本はこれからも信頼する先輩として、追い続けていきたいと思う。

対話の様子。
▲ 対話の様子。

大山さんの連載

大山さんがLIGに懸ける想いは、LIGブログの連載で語られています。
LIGブログで読む ↗

Contact

「実現したい」のご相談、
お待ちしています。

DX戦略の策定、システムの選定・開発、AIの業務組み込み、運用定着——
事業のパートナーとして伴走いたします。